シン・ゴジラが公開されて早2ヶ月。
すでに見に行かれた方もそうでない方も含め、メディアやネットを見る限りとても盛り上がっていて、内容がどうこうというよりまずこれだけ人が話題にしたくなる映画というだけで、凄い影響を与えた映画なのだなと思います。
かくいう私も、少し前に新宿バルト9のミッドナイトシアターで見ました。普段こういう映画に全く興味を示さない夫も、完全なるエヴァ世代のため、誘った際には「見に行こう!!」と二つ返事が返ってきました。
もう2年以上前になりますが、同じく深夜上映で「闇金ウシジマくん Part2」を見た際には、私の右側にはリアル柄崎みたいな男性、左側ではジャージにサンダル、安物の髪留めをした10代の女の子3人が前の座席に足を乗せていらっしゃり、他にもガムをくちゃくちゃ噛んでいる金髪ギャルとか、細身で黒スーツの水商売ぽい男性とか、閑散とした場内に映画の世界観そのままの光景が広がっていて大いに興味を唆られたものですが、シン・ゴジラは普通にたくさん人が入っていてびっくりしました。映画館の売店、供給が全然需要に追いついていなくて長蛇の列で(深夜なのに)、映画開始にちょっと遅刻してしまったくらい。
内容としては、賛否両論あると思います。それはもう散々色んなところで触れられているのでここではあんまり書きませんが、まあ一言で言うとエヴァでした。一番の見せ場であったであろうシーンがあまりにエヴァすぎて、深刻な内容なのに笑ってしまった。シンジ君がいない分だいぶ痛さは減ってますけれど、あのBGMといい、ちょっと私には痛い演出でした。それでもとても面白かったし、機会があれば立川の爆音上映でもう一度見たいと思うくらい楽しかったです。これぞエンターテイメント!という感じ。
で、映画を見終わった後にみんなどんな風に思ったのかなーと色々ググっていたところ、Twitterでこんな記事を見つけました。
最初はええっ、そんなこと言ったらそもそもゴジラは生物学的にあり得るのかみたいな話だし別にそんな細かいこと気にせんでも、と思ったのですが、妙にリアルに描いているのだからそこは拘って欲しいとか、ネット上でも色んな意見があるのを見てまあ確かになと思い直しました。
何よりkobiwa氏が書かれているように、これでちょっとでも地球科学に興味を持つ人が増えればいいなと思います。大学時代の教授が「日本では地質学者の知名度が低すぎる。海外だとgeologistと言えば何をしている人か分かってもらえるのに」と嘆いていましたが、社会に出て経歴を語る時の反応を見て、本当にみんなあんまり知らない&興味ないんだなあと思うことが多々あります。
私からしてみると、何で興味ないんだろう日本人なのにと思ってしまうのですが、地学教育が疎かだからなんでしょうかね。地球科学は結局のところ複雑系の学問で、物理・化学・生物の基礎がわかっている体で話が進んでしまうので、最初からちゃんと教えるのは難しそうだとは思いますけれど。欲を言えばハワイみたいに、昔からその土地に根付いている独自の(博物学的な)自然科学を科学とは別に教える方式みたいなのが理想で、小学生から自分の生まれた土地について学ぶというのがとても重要なことなんじゃないかなと思います。せっかく地殻が最後にやってくる墓場の上に、我々は住んでいるのですから。
あともう一つ面白い記事を見つけまして、まあ要するに公式グッズの企画者は全然分かってない!という魂の叫びですね。
この映画ではたくさんの武器と戦車が出てくるのですが、ミリタリー好きじゃない私でもカッコイイ…となってしまったので、確かにフィギュアとか迷彩服、防護服みたいなものの方が、公式グッズとして需要ありそうです。
そこで思ったのですが、こういう時こそ防災グッズを作って売るというのはどうでしょう?
オリジナルヘルメットとか安全靴、まずは君が落ち着け水をちょっとロゴ入れて格好良く作れば、単純に欲しいからという理由でたくさんの人が買ってくれるような気がします。
あとは、東京地質&防災MAPとか。どこが埋め立てで、どこが地盤が弱くてっていうのと共に、ゴジラが破壊した場所も示されているという…笑。赤色立体地図で作ったら格好いいのができそうです。
プラスアーツや防災ガールみたいな団体が出来てきてじわじわと活動されていますが、圧倒的に量が足りていない気がするので、こういう絶好の機会を逃しちゃいけないような気がします。地域でも防災訓練を1年に1度やっていますが、平日にやっていたりするし、土日でシンゴジラ×防災のイベントを行っても面白いんじゃないかな。ロケ地とか、実際にゴジラが破壊した想定の場所とかで。あの規模の災害になったとして、映画の中で東京都民はどこに避難していたことになっていたのかツアーがあったら、私、行きたいです。
ゴジラは相変わらず東京に上陸して関東だけを荒らしていますが、だからこそ都民が防災に意識を向けるきっかけになればいいなあと思ったのでした。