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2018/11/08

生活

探しものはなんですか、見つけにくいものですか – 2

私は東京に住み始めてからこの方、ずっと同じサロンの同じ美容師さんに髪を切ってもらっていました。
かれこれ7-8年くらいでしょうか?
最初は普通のスタイリストだった彼女もシニアスタイリストになり、指名料が加算され、海外に短期留学したり、日本全国で開催されるセミナーの講師になったりと、どんどん階段を登っていきました。

私の髪は多く、太く、クセがあり、固いというめんどくさい毛で、ショートにしようものならストレートパーマは必須、とそれまで言われてきました。しかし彼女に切ってもらうようになってから、少し間隔を狭めて通えば、普通に切ってもらうだけで十分になりました。それに色を入れるときも、ちょうどいい感じの色に染めてくれるんです。このちょうどいい感じ、というのがどれだけ難しいことか(きっとサロンジプシーが長い人になら分かってもらえるはず)。

たいていの美容師さんはすごくよく喋るか、喋らなくても、喋らないなりに気まずい雰囲気を出してくるかで、施術されている時間も苦痛だったのですが、彼女は切っている間、マジで職人になります。一本集中。とても真剣な顔でちょっとずつ調整しながら切ってくれるので、こっちも安心して雑誌を読みまくります。集中しているときは話しかけられるのが嫌いですって最初に言われて、よっしゃ、と思いましたよね。人によっては、そういうのが嫌なのかもしれませんけれど。

だから逆に、ちょくちょく彼女から喋りかけられるときは、あ、まずいなって。そういうときは、いつもと違って仕上がりが100点満点中75点くらいになるからです。まあギリ合格ラインなのでいいんですけれど、喋らんと集中してやってくれ!と心の中で祈っています。機嫌がいいのは良いことですけれどね。遅い時間に行って、もう早く帰りたいオーラの出ているときのほうが、却っていい仕上がりになることが多かった。

ところで、その彼女がなんと、お店を辞めるらしいのです。
えー。次なにするんですかと聞いたら、予定は未定とのこと。昔っからたまに疲れが溜まると、遠い目をして「あーパン屋さんになって、ずっとパン焼いていたい」みたいなことを言うので、まあ、多分ここいらで一回休息したいんだろうなと思います。ほぼ同い年だし、美容師さんは早くから働いているだろうから、その気持ちもわからんでもないです。

でも、じゃあ、私の髪はどうすれば…。

今、最後に切ってもらってから1ヶ月くらい経ったんですが、もうすでにちょっとうねっとしてきている私の髪。小さい頃から、人の二倍あるよねと言われてきた私の髪。ストレートパーマ、全然入っていかないですねと言われた私の髪…。

また再びジプシーに戻るのかと思うと、げんなりします。
そしてそんな私に追い討ちをかけるように、ここ10年使っていたヘアケア製品が突如廃盤になり、入手困難になったという知らせが。おかしいと思ったんですよ、前回ネットで買おうとしたら、いつもの倍くらいの値段したので。なぜいきなりそんなに高くなったのか、怪しんでいたところでした。

匂いもよく、私の髪でもまとまりやすくなり、皮膚が弱い私の肌にも負担がかからない。しかも、市販のよりは高いけれど、目玉が飛び出るほどの値段じゃない。こんな良条件の製品がなくなるなんて!ネットでも評判がよかったんですが、売り上げが落ちてきていたんでしょうか。まあヘアケア業界もサイクルが激しいイメージはありますけれどね。美容師業界と同様。

そんなわけで、この先しばらく私の髪はうねうねしてバーンとなっているかもしれませんが、実際に会う人は、ちょっと割り引いて見てくださるとありがたいです。ああ、早く探さなきゃ。
そういう、まあ髪だけじゃなくて、トータルビューティープロデュースみたいなプログラム、髪も、顔も、服も、アクセサリーも、色々と提案してくれるAIがあったら、私多分めっちゃ頼るなー。髪なら例えば、髪質と皮膚にあったプロダクトを探してくれたり、ちょうどいい感じの美容室を提案して予約とっといてくれたりするような。開発したら、みんな使ってくれるかな。

そういう、ネットでは一見して分からない、もしくは見つけるのに骨を折る情報ってまだまだこの世にはいっぱいありますよね。ク◯みたいなまとめサイトが氾濫しているせいもありますが、いつか痒いところにまで手がとどくインターネットは実現するのだろうか。実現するといいな。

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